rrbのブログ - 2009/06/08のエントリ
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天を仰いで思うこと うち 2009/06/08 12:00 am
うち
女性が使う一人称代名詞。「ウチかてこの仕事できるわ」 家の「内」の意味からで、室町時代から使用。「ウチラ今日はゆっくりできるな」のようにウチラは単数でも複数でも用いる。「自分の子」の意味で「ウチの子ども」というが、これは男女とも使用。洛北・八瀬などでは目上や同輩に「コチのいうことよう聞いてんか」と一人称代名詞にコチを使う女性も。南山城でも「コチも歳とって物忘れする」と。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
しばらくの間、コメント欄を閉じます。ご容赦ください。
四方山話(54) ちょっと気になる「ことば」の話
・・・じゃないですか

この言葉はイントネーションの上げ下げで意味が変わる。文末を上がり調子に発すると「先輩、これって違法じゃないですか?」「それって、ちょっとまずいんじゃないですか?」のように相手にその内容を確認する用法になる。確認とはいっても「違法ですよ」「まずいですよ」というのにかなり近く、断定に近いニュアンスが伴う。相手をたしなめるときなど、「違法だ」「まずい」と直接いうのがはばかられるという気持ちが、確認を偽装して断定を和らげさせるのだろう。
一方、文末を下がり調子に発すると、「あれは山田さんじないですか」「ほら、あそこに信号があるじゃないですか」などに見られるように、控えめな断定の意味になり、相手に確認するというニュアンスは一層弱まる。

このように「じゃないですか」は、はっきりと言い切らないまでも断定に使い核心の度合いで相手に主張したり確認を求めたりする用法である。
「ご飯を食べると眠くなってくるじゃないですか。だから食べるの控えてるんです」
「これって、最近流行ってるじゃないですか。でもなんか好きになれないんですよね」
これらの「じゃないですか」は、嫌だと感じる人もそうでない人もいる。嫌だという人は「ご飯を食べると眠くなることくらいいわれなくてもわかっている」「これが最近流行っていることぐらい私だって知っている」と感じたのではないだろうか。これらの例は控えめな表現を用いていることに問題がある。自明なことを「ご存知ないかもしれませんが」といった控えめな調子で教えられれば誰だって癇に障る。特に気にならなかった人は、自明なこととは捉えずに単なる情報確認だと感じたのだろう。いずれにしても人を不快にさせる危険性をはらんだ表現である。

(神戸) カメラ/EPSON R-D1s レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4
「私って最近引っ越してきたばかりじゃないですか」
「私ってすごく忘れっぽい人じゃないですか」
この例のほうがイヤだと感じる人は多いと思う。「あなたのことなんて知るわけがない」「そんなこと誰が知るか」と腹立たしい気持ちを抱く人は少なくないはず。他人の知らないプライベートなことを「知っていて当然」という感じで共感や同意を求めているわけだから、押し付けがましくて嫌らしいと受け止められかねない。話し手だけが知っていて自分が知るはずのないことに共感を求められるのだから、不快に思うのは当然。この言い方は社会人になっても改めない人が少なくない。わかりきっていること、またその反対の知るはずのないことについて「・・・じゃないですか」という表現を使うと聞き手を不快にする…と、天を仰いで思うこと。
★前回のちょっと気になる「ことば」の話はここ(←クリック)

女性が使う一人称代名詞。「ウチかてこの仕事できるわ」 家の「内」の意味からで、室町時代から使用。「ウチラ今日はゆっくりできるな」のようにウチラは単数でも複数でも用いる。「自分の子」の意味で「ウチの子ども」というが、これは男女とも使用。洛北・八瀬などでは目上や同輩に「コチのいうことよう聞いてんか」と一人称代名詞にコチを使う女性も。南山城でも「コチも歳とって物忘れする」と。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
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四方山話(54) ちょっと気になる「ことば」の話
・・・じゃないですか

この言葉はイントネーションの上げ下げで意味が変わる。文末を上がり調子に発すると「先輩、これって違法じゃないですか?」「それって、ちょっとまずいんじゃないですか?」のように相手にその内容を確認する用法になる。確認とはいっても「違法ですよ」「まずいですよ」というのにかなり近く、断定に近いニュアンスが伴う。相手をたしなめるときなど、「違法だ」「まずい」と直接いうのがはばかられるという気持ちが、確認を偽装して断定を和らげさせるのだろう。
一方、文末を下がり調子に発すると、「あれは山田さんじないですか」「ほら、あそこに信号があるじゃないですか」などに見られるように、控えめな断定の意味になり、相手に確認するというニュアンスは一層弱まる。

このように「じゃないですか」は、はっきりと言い切らないまでも断定に使い核心の度合いで相手に主張したり確認を求めたりする用法である。
「ご飯を食べると眠くなってくるじゃないですか。だから食べるの控えてるんです」
「これって、最近流行ってるじゃないですか。でもなんか好きになれないんですよね」
これらの「じゃないですか」は、嫌だと感じる人もそうでない人もいる。嫌だという人は「ご飯を食べると眠くなることくらいいわれなくてもわかっている」「これが最近流行っていることぐらい私だって知っている」と感じたのではないだろうか。これらの例は控えめな表現を用いていることに問題がある。自明なことを「ご存知ないかもしれませんが」といった控えめな調子で教えられれば誰だって癇に障る。特に気にならなかった人は、自明なこととは捉えずに単なる情報確認だと感じたのだろう。いずれにしても人を不快にさせる危険性をはらんだ表現である。

(神戸) カメラ/EPSON R-D1s レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4
「私って最近引っ越してきたばかりじゃないですか」
「私ってすごく忘れっぽい人じゃないですか」
この例のほうがイヤだと感じる人は多いと思う。「あなたのことなんて知るわけがない」「そんなこと誰が知るか」と腹立たしい気持ちを抱く人は少なくないはず。他人の知らないプライベートなことを「知っていて当然」という感じで共感や同意を求めているわけだから、押し付けがましくて嫌らしいと受け止められかねない。話し手だけが知っていて自分が知るはずのないことに共感を求められるのだから、不快に思うのは当然。この言い方は社会人になっても改めない人が少なくない。わかりきっていること、またその反対の知るはずのないことについて「・・・じゃないですか」という表現を使うと聞き手を不快にする…と、天を仰いで思うこと。
★前回のちょっと気になる「ことば」の話はここ(←クリック)

