rrbのブログ - 2010/01/16のエントリ
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今京都 ろくしか 2010/01/16 12:00 am
ろくしか
ろくに。まともに。「この仕事ロクシカできひんくせして」 ロクは陸で真っすぐ平らなこと。陸地のように水平で、歪みなく正しいこと。ロクシカのシカは「わずかに、それだけの」 ロクスッポは物事が不十分なさま。スッポは「推量」からか。「寸法」からか。「ロクスッポこんな仕事もやれへんのに偉そうなこと言うな」のように打ち消しの語を伴う。ロクニ、ロクロクとも。「禄」は当て字。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
赤が男性、黒が女性
京都には「食べ初め膳」という特別のお膳があったり、お雑煮のお椀もお椀の蓋が椀の中にすっぽり入ってしまうような独特のものがある。蓋をすることの主たる役目は、ちりやほこりが中に入らないようにいるためであることはいうまでもないが、京都ではお椀に蓋をしない。本来、お正月には、「お正月様」という神様をお迎えしているから、そのお部屋は神聖であり、ちりやほこり等があるはずがない。だからお椀に蓋は必要ない。一見、蓋に見えるものは蓋ではなく、取り皿なのである。

お椀の色には黒と赤があるため、黒いものが男性用で赤いものが女性用と、一般的には思われる。しかし、京都ではそれが逆になる。内朱(うちしゅ)といって内が赤く外が黒いものが女性用で、惣朱(そうしゅ)といって内も外も赤いものが男性用。古墳などから出土した土器には、よく赤い色が塗られているという。赤い色を塗ることによって、つくりだされただけのただの器に魂を吹き込み、その器を生あるものとして大切に扱ってきた。赤い色は、もちろん人間の血液を表現したものだ。

それでは、なぜ女性のものが黒なのかということだが、赤い色を塗って魂を吹き込んだあと、黒色、すなわち水を表現した色を外側に塗り、より神聖に清めたのだとか、黒色を女性とした陰陽道の思想からきているのだとか、何度も何度も塗り重ねていくうちに黒くなったのだとか、様々な説があるが、残念ながらまだはっきりとしたことはわからない。また、これら儀式用のお膳には、足高(あしだか)というものがあり、女性が使用する。男性のものは足が低くなっている。というのは、男性の場合はあぐらを組んで食事をするが、女性の場合し正座(立てひざ座り)をするのでお膳の足が高くなっている。

食べ初めもお正月も、食する時には必ず柳箸(やなぎばし)を使用し、塗箸(ぬりばし)を使うことはない。
また、後世、これらお椀やお膳に定紋(じょうもん)を入れるようになった。男性のものは金か黒色で、女性のものは銀で入れる。ひとつのものにこれほどこだわり、使い分けをしているのは、おそらく京都だけではないだろうか。たかがお椀、しかし、これもやはりひとつの文化であり、こういったものが平安時代から1200年もの長きにわたって今日まで伝わってきたということに、なぜか感動を覚えるという京都の文化のお話…今京都。 ※写真と本文は関係ないのであしからず。

ろくに。まともに。「この仕事ロクシカできひんくせして」 ロクは陸で真っすぐ平らなこと。陸地のように水平で、歪みなく正しいこと。ロクシカのシカは「わずかに、それだけの」 ロクスッポは物事が不十分なさま。スッポは「推量」からか。「寸法」からか。「ロクスッポこんな仕事もやれへんのに偉そうなこと言うな」のように打ち消しの語を伴う。ロクニ、ロクロクとも。「禄」は当て字。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
赤が男性、黒が女性
京都には「食べ初め膳」という特別のお膳があったり、お雑煮のお椀もお椀の蓋が椀の中にすっぽり入ってしまうような独特のものがある。蓋をすることの主たる役目は、ちりやほこりが中に入らないようにいるためであることはいうまでもないが、京都ではお椀に蓋をしない。本来、お正月には、「お正月様」という神様をお迎えしているから、そのお部屋は神聖であり、ちりやほこり等があるはずがない。だからお椀に蓋は必要ない。一見、蓋に見えるものは蓋ではなく、取り皿なのである。

お椀の色には黒と赤があるため、黒いものが男性用で赤いものが女性用と、一般的には思われる。しかし、京都ではそれが逆になる。内朱(うちしゅ)といって内が赤く外が黒いものが女性用で、惣朱(そうしゅ)といって内も外も赤いものが男性用。古墳などから出土した土器には、よく赤い色が塗られているという。赤い色を塗ることによって、つくりだされただけのただの器に魂を吹き込み、その器を生あるものとして大切に扱ってきた。赤い色は、もちろん人間の血液を表現したものだ。

それでは、なぜ女性のものが黒なのかということだが、赤い色を塗って魂を吹き込んだあと、黒色、すなわち水を表現した色を外側に塗り、より神聖に清めたのだとか、黒色を女性とした陰陽道の思想からきているのだとか、何度も何度も塗り重ねていくうちに黒くなったのだとか、様々な説があるが、残念ながらまだはっきりとしたことはわからない。また、これら儀式用のお膳には、足高(あしだか)というものがあり、女性が使用する。男性のものは足が低くなっている。というのは、男性の場合はあぐらを組んで食事をするが、女性の場合し正座(立てひざ座り)をするのでお膳の足が高くなっている。

食べ初めもお正月も、食する時には必ず柳箸(やなぎばし)を使用し、塗箸(ぬりばし)を使うことはない。
また、後世、これらお椀やお膳に定紋(じょうもん)を入れるようになった。男性のものは金か黒色で、女性のものは銀で入れる。ひとつのものにこれほどこだわり、使い分けをしているのは、おそらく京都だけではないだろうか。たかがお椀、しかし、これもやはりひとつの文化であり、こういったものが平安時代から1200年もの長きにわたって今日まで伝わってきたということに、なぜか感動を覚えるという京都の文化のお話…今京都。 ※写真と本文は関係ないのであしからず。

