rrbのブログ - 2009/07/02のエントリ
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今京都 あかる 2009/07/02 12:00 am
あかる
「もうじき雨がアカルさかいちょっとお待ちやす」 アカルは平安時代から用い、明るくなるの意。雨が上がることを京都でアカル、大阪ではアガル。文化11年の『大坂繁花風土記』には「是はただ清(す)むと濁るの違なれど、少しの事にて大に違ふ、雨なれば明るといふ筈也」とある。「雨降りの太鼓」は「ドンナラン(どうにもならない)」の洒落ことば。湿度の高い雨降りには太鼓はドンと鳴らない。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
しばらくの間、コメント欄を閉じます。ご容赦ください。
御池通と神泉苑 (旧フォトヴィレッジ 2007年7月11日・12日掲載)
御池通は堀川通を越えて西に向うと道幅がぐんと狭くなる。この狭くなった御池通に神泉苑(しんせんえん)がある。この神泉苑は現在、真言宗のお寺となっている。なかに料亭があり、かつての史跡はそのお庭のようになっている。
神泉苑は歴史をさかのぼると、平安京の昔には東西は現在の大宮通から壬生川通まで、南北は二条から三条まで、総面積約13万�屬箸いΕ好院璽襪任△辰燭蕕靴ぁＪ唇袖�の大内裏の南東に接して、豊かな水と緑あふれる禁苑が広がり、優雅な楼閣や釣殿が建ち並び、大内裏につらなる自然の苑地といった趣だったとされている。今に残された神泉苑はそのわずかな跡でしかなく、観光ガイドには必ず登場するが、観光客もあまり訪れていないような気がする。その昔、この神泉苑は日照りが続くと水門が開かれて水が放流され、雨乞い祈祷が行なわれるなど、都の人々には関わりの深い場所であった。
この雨乞い。平安時代には、干ばつになると密教僧による雨乞いの祈祷（きとう）がしばしば行われた。有名なのが、東寺の空海と西寺（現在は廃寺）の守敏（しゅびん）の二人の僧侶による雨乞いの術比べの言い伝え。神泉苑に伝わる『神泉苑絵巻』によると、守敏は冷たい水を温かくしたり、火鉢の火をたちまち消してしまう法力によって時の天皇のお気に入りになった。しかし、天皇の前で、空海の法力の方がより強いことが明らかになってしまう。恥をかいた守敏は空海を恨み、雨を降らせる龍神を法力によって水がめの中に封じ込めてしまった。大干ばつに困った天皇は空海に神泉苑で雨乞いの祈祷を行うよう命じる。
大干ばつに困った天皇から、神泉苑で雨乞いの祈祷を行うよう命じられた空海は、守敏(しゅびん)のたくらみを見抜き、現在のチベット付近の北天竺(てんじく)から善女龍王という龍神を呼び寄せる。3mほどの蛇に乗った長さ約24cmの金色の蛇のような龍王が池に舞い降りると、たちまち大雨になった。その後、法力比べに敗れた守敏は死んでしまう。勝った空海の東寺はますます栄え、西寺は廃れたという。
また、この神泉苑は平安京ではじめて御霊会(ごりょうえ)が行なわれた場所ともされている。天皇の遊猟、釣魚の地として利用された神泉苑だが、祈雨の霊場や怨霊鎮魂のための御霊会の場ともなり、池の水で清めた鉾で悪霊を振り払った祭りが祇園祭の起源ともされる。この神泉苑の荒廃は平安末期から始まり、1602(慶長7)年の二条城築城で大きく姿を変える。苑の北側が二条城に取り込まれ、城内の池の泉に利用されてしまう。
しかし、21世紀を迎えて風向きが変わってくる。「糺の森と御所と神泉苑は一直線上に結ばれている」といわれだしたのがきっかけ。清らかな水都・平安京の、その源泉であった神泉苑が、京の地下に眠る水瓶や水脈とともにクローズアップされた。境内も以前と比べると随分整備され、現在は、池の島に設けられた社に善女龍王を祭り、地域の人たちから「ひでんさん」とか「しぜんさん」の愛称で親しまれている。なぜ、そう呼ばれるのかは不明とのことであるが、神泉苑がなまったという説があるとか。いずれにせよ「ひでんさん」とか「しぜんさん」という響きは神泉苑によく似合う気がする。
この神泉苑の池が御池通のお池とする一説があり、御池通のお池はこんなところにあったというお話。また、島にかかる朱塗りの『法成橋』の上で念ずると願い事が叶うという。さて、どんなお願いをしてみようかしら…今京都。
おまけ
この写真は、恵方社(えほうしゃ)という。台座が円形になっているのは、実は、回転するようになっていて、毎年始めに神泉苑住職によりその年の恵方（縁起が良いとされる方向）へと向きが変えられる。祭神は歳徳神（としとくじん）という陰陽道における一年の福徳を司る神。このような社はここ神泉苑のみということ。
「もうじき雨がアカルさかいちょっとお待ちやす」 アカルは平安時代から用い、明るくなるの意。雨が上がることを京都でアカル、大阪ではアガル。文化11年の『大坂繁花風土記』には「是はただ清(す)むと濁るの違なれど、少しの事にて大に違ふ、雨なれば明るといふ筈也」とある。「雨降りの太鼓」は「ドンナラン(どうにもならない)」の洒落ことば。湿度の高い雨降りには太鼓はドンと鳴らない。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
しばらくの間、コメント欄を閉じます。ご容赦ください。
御池通と神泉苑 (旧フォトヴィレッジ 2007年7月11日・12日掲載)
御池通は堀川通を越えて西に向うと道幅がぐんと狭くなる。この狭くなった御池通に神泉苑(しんせんえん)がある。この神泉苑は現在、真言宗のお寺となっている。なかに料亭があり、かつての史跡はそのお庭のようになっている。
神泉苑は歴史をさかのぼると、平安京の昔には東西は現在の大宮通から壬生川通まで、南北は二条から三条まで、総面積約13万�屬箸いΕ好院璽襪任△辰燭蕕靴ぁＪ唇袖�の大内裏の南東に接して、豊かな水と緑あふれる禁苑が広がり、優雅な楼閣や釣殿が建ち並び、大内裏につらなる自然の苑地といった趣だったとされている。今に残された神泉苑はそのわずかな跡でしかなく、観光ガイドには必ず登場するが、観光客もあまり訪れていないような気がする。その昔、この神泉苑は日照りが続くと水門が開かれて水が放流され、雨乞い祈祷が行なわれるなど、都の人々には関わりの深い場所であった。
この雨乞い。平安時代には、干ばつになると密教僧による雨乞いの祈祷（きとう）がしばしば行われた。有名なのが、東寺の空海と西寺（現在は廃寺）の守敏（しゅびん）の二人の僧侶による雨乞いの術比べの言い伝え。神泉苑に伝わる『神泉苑絵巻』によると、守敏は冷たい水を温かくしたり、火鉢の火をたちまち消してしまう法力によって時の天皇のお気に入りになった。しかし、天皇の前で、空海の法力の方がより強いことが明らかになってしまう。恥をかいた守敏は空海を恨み、雨を降らせる龍神を法力によって水がめの中に封じ込めてしまった。大干ばつに困った天皇は空海に神泉苑で雨乞いの祈祷を行うよう命じる。
大干ばつに困った天皇から、神泉苑で雨乞いの祈祷を行うよう命じられた空海は、守敏(しゅびん)のたくらみを見抜き、現在のチベット付近の北天竺(てんじく)から善女龍王という龍神を呼び寄せる。3mほどの蛇に乗った長さ約24cmの金色の蛇のような龍王が池に舞い降りると、たちまち大雨になった。その後、法力比べに敗れた守敏は死んでしまう。勝った空海の東寺はますます栄え、西寺は廃れたという。
また、この神泉苑は平安京ではじめて御霊会(ごりょうえ)が行なわれた場所ともされている。天皇の遊猟、釣魚の地として利用された神泉苑だが、祈雨の霊場や怨霊鎮魂のための御霊会の場ともなり、池の水で清めた鉾で悪霊を振り払った祭りが祇園祭の起源ともされる。この神泉苑の荒廃は平安末期から始まり、1602(慶長7)年の二条城築城で大きく姿を変える。苑の北側が二条城に取り込まれ、城内の池の泉に利用されてしまう。
しかし、21世紀を迎えて風向きが変わってくる。「糺の森と御所と神泉苑は一直線上に結ばれている」といわれだしたのがきっかけ。清らかな水都・平安京の、その源泉であった神泉苑が、京の地下に眠る水瓶や水脈とともにクローズアップされた。境内も以前と比べると随分整備され、現在は、池の島に設けられた社に善女龍王を祭り、地域の人たちから「ひでんさん」とか「しぜんさん」の愛称で親しまれている。なぜ、そう呼ばれるのかは不明とのことであるが、神泉苑がなまったという説があるとか。いずれにせよ「ひでんさん」とか「しぜんさん」という響きは神泉苑によく似合う気がする。
この神泉苑の池が御池通のお池とする一説があり、御池通のお池はこんなところにあったというお話。また、島にかかる朱塗りの『法成橋』の上で念ずると願い事が叶うという。さて、どんなお願いをしてみようかしら…今京都。
おまけ
この写真は、恵方社(えほうしゃ)という。台座が円形になっているのは、実は、回転するようになっていて、毎年始めに神泉苑住職によりその年の恵方（縁起が良いとされる方向）へと向きが変えられる。祭神は歳徳神（としとくじん）という陰陽道における一年の福徳を司る神。このような社はここ神泉苑のみということ。
