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壷中之天

投稿日時 2008-9-4 0:00:00
執筆者 rrb
ちゅうのてん…俗界とかけ離れた別天地のこと。また、酒に酔って陶然とすること。
◇ちょっと予備知識 → ある男が壷の中のすばらしい御殿に連れて行かれ、酒食をもてなされて楽しく遊んで
                帰った故事から。
                類義語に壷中天地(こちゅうてんち)がある。

法さん、天神さん
京都には大きな縁日が毎月ふたつある。ひとつは毎月21日に開催される東寺の縁日、もうひとつは毎月25日に開催される北野天満宮の縁日。これらを京都人は親しみを込めて前者を「弘法(こうぼう)さん」、後者を「天神(てんじん)さん」と呼んでいる。「弘法さん」は「お大師さん(おだいっさん)」とも呼ぶことがある。この「弘法さん」「天神さん」は京都人のひと月の生活サイクルの中にすっかり定着している。21日、25日はそれぞれ弘法大師(空海上人)と菅原道真公の命日にあたる。



この縁日はともにたくさんの露店がたちならび、毎月大きなにぎわいを見せている。特に一月の初弘法、初天神と12月の終(しま)い弘法、終(しま)い天神は黒山の人となり、身動きもできないほどである。本来はお詣りが主であることはいうまでもないが、今ではこの露店を目当てに訪れる人も多く、弘法さん、天神さんといえば露店のことだと思っている人もいるくらいである。露店の楽しさがあったからこそ、こけだけ有名になったのかもしれない。



京都では、何か探しものがあれば「弘法さんに行ったら見つかる」などとよくいわれる。どんなものがあるか一例をあげると、傘の柄、靴のへり止め、糸通しの器具、ざる、金網などの日用品から、あらゆる骨董品の山また山、それに古着に時代裂、呉服に反物、靴・草履、病除けの箸や食品などなど、手に入りにくいようなものがある。この縁日で生涯の伴侶をも見つけたというお話もあるくらいである。まさに見つからないものはないという感じである。



毎月祖母につれられてくるお子たちの姿もみることができる。この弘法さん、天神さんのもうひとつの楽しみは、21日が晴れなら25日は雨、21日が雨なら25日は晴れると昔からいわれている。さらにこの晴れ・雨を勝ち負けに置き換えて、たとえば、21日が晴れで25日が雨になれば、その月は「お大師さんが勝たはった」といういい方をするという京都の文化のお話…今京都。 ※写真は京都の町並みで本文とは関係ないのであしからず。


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