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八方美人2008/04/04 12:41 am

はっぽうびじん…だれからも好かれようと、如才なく振る舞うこと。またそのような人。お調子もの。
◇ちょっと予備知識　→　どこから見ても申し分なく美しい人という意から。皮肉として使われることが多い。
　　　　　　　　　　　　　　　　類義語に八面美人(はちめんびじん)がある。

上ル下ル(アガルサガル)
所在地を示す京都独特の表現の「上ル下ル」。一般的になったのは室町初期以降のことらしい。今回のお話はそんな所在地を示すことに関するお話。

そもそものきっかけは、「二条富小路下ルと富小路二条下ルは同じやん。どっちの通りを先にいうてもええのん？」という会話を耳にしたことによる。これって意外に知らない人が多いようだ。京都に長年住んでいる人でも「へぇー、知らなかった」なんて具合。京都人の常識が、京都人以外にまったく通用しない例のひとつといえる。

京の碁盤目の中の住所の呼び方は、
①その地点が面している通りをまずいう。たとえば「二条通…」と、「通」までつけて呼ぶことにより「二条通」に面していることがわかる。
②次に、交差する最寄りの通りをいう。二条通に面して、かつ富小路通に近い場所なら「二条通富小路…」となる。ここでは「富小路通」とはいわず、「通」を省いて「富小路」という。これでタテ・ヨコの通りが交差する一地点をさすことができる。
③その一地点から、東入ル・西入ル・上ル(北行)・下ル(南行)のいずれかをいう。「二条通富小路東入ル」となれば、その一地点を東に行った、二条通の南北のいずれかとなる。東入ル・西入ルだけでは、通りのどちら側にあるのかはわからないため、最後に南側・北側をつければ、その地点をより絞り込むことになる。
また、上ル・下ルだけでも同じなので、最後に東側・西側をつければ、その地点をより絞り込むことになる。
④今までは通りに面している場合。もし通りから入った場所だと、「二条通富小路東入ル上ル」などとなる。
と、ここまでが基本編。追記としては、言葉でいう場合は「二条富小路」と「通」を略していうのが慣例となっている。

京都の住所の呼び方はルールさえのみ込めばきわめて明快で観光都市にふさわしいと思うのだが、バス停になるとこのルールが崩れる。
堀川五条の次の次は、七条堀川。七条堀川というから、烏丸も七条烏丸かと思ったら、今度は烏丸七条。そういえば河原町通も、河原町三条の次のバス停は四条河原町だ。京のバス停の不思議さである。これらの疑問は前述の住所の呼び方では解決できない。

大きな交差点のバス停は、その交差点の東西南北のどこにあろうが関係ない。交差点のピンポイントをさす呼び方である。このことは以前にも少しふれたが市電時代の名称を引き継いでいるだけの話。
バス停の名称は、四条烏丸、四条堀川、四条大宮ときて、四条西大路といいそうなところだが、やはり西大路四条となる。西大路四条でなければ耳障りが悪い。

などなど長年の語感を頼りに京都人は暮らしている。京都の地理に不案内な観光客には、これではわかりにくいだろうなぁと思う。いずれにしても、合理的なのか感覚なのか良くわからないというのも京都の魅力のひとつではないかと思う…今京都。

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