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天地神明

投稿日時 2008-3-6 0:10:57
執筆者 rrb
んちしんめい…天地間にいるすべての神々のこと。
◇ちょっと予備知識 → 「神明」は神そのものをいう。「神命」と書くのは誤り。「天使神明に誓って」などと使う。
                類義語に天神地祇(てんしんちぎ)がある。

かん
「そんなことしたら、あかんがな」。もう少し丁寧に言えば「そんなことしたら、あきまへん」、花街祇園に行けば「そんなことおしやしたら、あかしまへんえ」と変化する。
「あかん」の意味は「だめだ、いけない、効果がない、役に立たない」。関西弁の堂々とした代表選手といえる。吉本興業のおかげで関西弁が日本列島を闊歩する今では、全国に通用するといってもいいのではないだろうか。



では、この「あかん」がどこからきたのかといえば、「らちがあかぬ」が語源なのだという。なんと、まぁ…。
「そんなことしたら、らちあかんがな」。「そんなことしたら、らちあきまへん」「そんなことおしやしたら、らちあかしまへんえ」となり、なるほど納得である。



「あかん」という上方ことばは、江戸中期の元文年間(1736〜1740)頃から使用。「らちあかん」が縮まって「あかん」ともいったとされている。上賀茂神社の競馬(くらべうま)に端を発した「らちがあく」(←クリック)とか「あかぬ」とかが、こんなところまできてしまったのは驚きである。



しかし、ここで謎が一つ。方言分布でいえば関西弁の「あかん」は、愛媛では「いかん」というし、岡山・広島・九州と西に向かうと「いけん」と変化する。「そんなことしたらいかん」「いけんいけん」「いけません」。これは「らちがあかぬ」では説明できないではないかと疑問を持つ。



そこで「いかん」を調べてみると「いかん」は「いけない」の上方ことばとなっている。「いかんなぁ、四番バッターがさっぱり打てへん」というように使われる。さらに「いかぬ」の訛り。
京阪では、「あかん」が自動的な使用なのに、「いかん」は他動的なニュアンスがある。『あかん』に対して『あかへん』といえるが、『いかん』に対して『いかへん』とはいえないということである。
なるほど、「らちがあく」の「あく」は自動詞であって、「らちをあける」という他動詞ではないということだ。



つまり、本来、埒(らち)が柵を意味するなら「埒をあける」といってもよさそうなものであるが、「埒」は他動的に「あける」ものではなくて、自動的に「あく」ものなのだということだ。



「らちがあく」の意味は深遠だ。「らちがあく」と聞いて、どこかすがすがしく感じる理由がここにきてやっとわかったような気がする。「らちがあく」ではなく「らちがあかぬ」からきた「あかん」。ことばは本当に面白い存在である。



「あくかあかへんかやってみんとわからへんて。なに、やってみた? それでもあかんてか? そりゃ、あかんなぁ〜、かなんなぁ〜」ということだね。
いずれにしても「あかん」は、意外なことに語源が京都にあった言葉のお話vol.12…今京都。前回の語源は「らちがあく」(←クリック)。※写真は京都の町並みで本文とは関係ないのであしからず。


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