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中秋の名月
投稿日時 2011-10-3 0:00:00
執筆者 rrb
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中秋の名月 と、言っても今日は中秋の名月ではない。今年はもう終わっている。京都では、中秋の名月にちなんだ催し物が多いというお話。 旧暦では、春夏秋冬をそれぞれ初・中・晩の三つの月にわける。旧暦の秋は7・8.9月で、8月は真ん中の月なので「中秋」となる。また、旧暦は太陰暦のため日付は月齢に対応し、15日は満月となる。それにより旧暦8月15日夜の月は「中(仲)秋の名月」と呼ばれ、古くから観月の宴などが催された。 下鴨神社の「名月宴弦祭」、上賀茂神社の「賀茂観月祭」、北野天満宮の「芋名月」、平野神社の「名月祭」、大覚寺の「観月の夕べ」など、さまざまな寺社で、月を愛で、管弦や舞、茶会を楽しむことができる。
「月々に月見る月は多けれど、月見る月はこの月の月」 この歌はもともと中秋の名月(陰暦の8月15日)に、宮中で女官たちによって詠われたもの。歌の作者は知り得ないが、お芋に箸で穴を開け、その穴から月をのぞいてこの歌を詠むといった「しきたり」が、その昔あったようだ。 澄み渡る秋の夜空に、ぽっかりと月が浮かんでいるのを見ると、子どもの頃を思い出す。ある月夜に祖母と歩いていた。どれだけ歩いても月がついて来るように見える。少し怖くなって、「お月さんがどこまでもついて来るよ」と言ったら、「暗い夜道を少しでも歩きやすいようにしてくれているのさ。優しいお月さんだねぇ」と祖母。その言葉で月夜が怖くなくなった。今から思えば、その祖母の言葉は「優しさって、さり気なくこうするもんだよ」と教えていたのかも…という『きょうの京都』の今京都。
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