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たの不思議

投稿日時 2011-9-1 0:00:00
執筆者 rrb
「た」の不思議
日本語は面白いものだ。ひとつ取り上げたいのは仮定の時などに使う「た」である。例えば「もしも雨が降ったら」の「降った」という表現。今の日本語では「た」は過去を示す場合が多いとされている。何故、過去形なの…ということだ。または、その「た」は本当に過去形の「た」なのかということだ。


カメラ/EPSON R-D1s  レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4

「あそこにあっはず」の「た」、探していたものが「あぁ、あっ、あっ」の「た」、「あぁ、驚い」の「た」などなど、たくさんある。これらから「た」は、純粋の過去にも、現在の確認にも、気づきにも、持続にも使われている。


カメラ/EPSON R-D1s  レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4

古文の表現を思い出すと、
雨降りき(雨が降った記憶がある) → 記憶
雨降りけり(雨が降ったことに気がついた) → 気づき
雨もやみぬ(雨もすでにやんでいる) → 自動詞につく完了
山本は見せつ(すでに山本は見せた) → 他動詞につく完了
桜の花咲けり(桜の花が咲いている) → 完了持続
月は照りたり(月光はこうこうと照っている) → 完了持続
と6種類もあり使い分けていた。その後、中世の混乱期に「たり」だけが残り、他の5つは使われなくなった。さらにこの「たり」の「り」が落ちて現在の「た」が成立。だから「た」は、過去にも、現在の確認にも、気づきにも、持続にも使われて当り前なのである。


カメラ/EPSON R-D1s  レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4

では、「た」を過去形と考えてしまうのは何故かという問題。英語教育のせいかも知れないと考えられている。英文法で過去形や未来形という区別を習い、「行く」「行った」「行くつもり」などと、その形式にあわせて日本語表現をしている。だから「た」は過去だけだと思い込んでしまっている可能性があるという。
いずれにしても時代とともに言葉は変化していくものだ。やがては「ギャル文字」なども「○○年前の平成という時代に主にギャルと呼ばれる女性たちの間で使用されていた言葉」という解説がされる時代が来るのだろうか…ということで、今回のお話はおしまい。どうも、おやかまっさんどした。


 




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