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ツクツクボウシ

投稿日時 2011-8-24 0:00:00
執筆者 rrb
クツクボウシ
ここ数日の京都では、朝夕がめっきりと涼しくなった。と言っても、まだ8月下旬。この涼しさは一時のものであろう。そんな中、ツクツクボウシの鳴き声が聞こえてきた。今まで鳴いていたのかも知れないが昨日気がついた。



ツクツクボウシは、「つくつく法師」と表記され、カメムシ目(半翅目)・ヨコバイ亜目(同翅亜目)・セミ科に分類されるセミの一種であり、晩夏から初秋に発生するセミで、特徴的な鳴き声をもつことはご承知のとおりである。ツクツクボウシはアブラゼミやニイニイゼミと比べて冬の寒さに弱く、元来北日本では局地的にしか分布していなかったという。しかし近年、盛岡や仙台において増えつつあり、特に盛岡ではアブラゼミが激減している(仙台でも減少している)おり、ツクツクボウシは逆に増えているという。これは地球温暖化が原因と考えられるが、生態学的に優位な立場にあるアブラゼミの数が減ったことで、ツクツクボウシが繁殖しやすくなったという原因もあり、定かではない。


(神戸) カメラ/EPSON R-D1s  レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4

オスは午後の日が傾き始めた頃から日没後くらいまで鳴く。その鳴き声は特徴的で、和名もこの鳴き声の聞きなしに由来。鳴き声は「ジー…ツクツクツク…ボーシ!ツクツクボーシ!」と始まり、以後「ツクツクボーシ!」を十数回ほど繰り返し、「ウイヨース!」を数回、最後に「ジー…」と鳴き終わる。最初の「ボーシ!」が聞き取りやすいためか、本によっては鳴き声を「オーシツクツク…」と逆に表記することもあるという。また、1匹のオスが鳴いている近くにまだオスがいた場合、それらのオスが鳴き声に呼応するように「ジー!」と繰り返し声を挙げる。合唱のようにも聞こえるが、これは鳴き声を妨害しているという説があるという。



季節を感じる色々なものが日本には揃っている。今年の個人的な心配の一番は「稲」である。田植えの時期が通年より一週間から10日ほど遅かった。その影響があるかもしれないが、毎年、早いところでは9月の第一週までには稲刈りの風景を見ることができるが、今年はこの時期も十分に育っていないと聞いた。ツクツクボウシの鳴き声を聞きながら、田植えが遅かった分、遅くなるのであろうが、新米不足にならないように願いたい。稲の育ちが悪いと、稲をあてにしているスズメさんも辛かろうに…と、天を仰いで思うこと。


 




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