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本の魅力

投稿日時 2010-4-26 0:00:00
執筆者 rrb
の魅力



19世紀の英国で工芸運動を進めたウィリアム・モリスは、人間の一番大切な芸術を「美しい家」と「本」と考えたという。なぜなら、独自の技術を持つ多くの職人の存在なしには完成しないからだ。大山崎山荘美術館(京都府大山崎町)で、モリスが晩年、印刷所まで構えて手がけた豪華本が展示されている。詩文が、つる草文様と細密な挿絵に彩られ、ページの中で息づいているとのこと。



モリスまではいかないが、気に入った本は、凝った装丁の硬表紙本で手元に置きたくなる。古書店などで入手し、布張りの表紙や凸凹した題名をなぞると本に携わった人々の思いに触れるようだ。「この一冊に、一つの世界が凝縮している。そんな感覚も本に引かれる理由ではないかと考える。


(神戸) カメラ/EPSON R-D1s  レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4

運送に耐える形や素材が主流の中、内容に沿った風合いの製本を心がける。本が醸す存在感が読者を招くこともあるだろう。電子書籍端末キンドルに続いて、iPadが発売された。グーテンベルクの活版印刷発明以来の転換といい、日本での普及も間違いない。大量の本を収容できて便利そう。使ってみたいとも思う。それでも本を手に取る喜びは廃れないでほしい。古書にしおりが挟まれていたり、書き込みを見つけると、見知らぬ人から本を託されたように感じるのは少し思い入れがありすぎか。いずれにしても、工芸美や凝縮された物語の開封ととともに、そんな不思議も本の魅力だと…と、天を仰いで思うこと。


 




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