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きんきん
投稿日時 2010-2-16 0:00:00
執筆者 rrb
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きんきん きらびやかなさま。ぴかぴかしたさま。「この広間はキンキンして立派ですなあ」 キンキンは江戸時代には、きれいでさっぱりしたさまを形容した。潔いさまを意味した。キンキンマンマンとも。キンキラキンというと、きらびやかなさまの誇張表現。キチキチは、ちょうど一杯にの意味。「この箱にキチキチ詰めたし、もうはいらへんわ」「そんなにキチキチしてもらわんでも」のように「几帳面に」の意味も。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
爆走300km

先日新聞で感動的な記事を読んだ。 埼玉県の女子中学生が1月、日本航空石川高校の推薦入試で輪島市に向かう途中、大雪による列車運休で足止めされながらも、母親とふたりで300km余りをヒッチハイクして試験会場にたどり着き受験。 というものだ。

記事によると、 1月17日の推薦入試を受けるため、車中泊の予定で前日に埼玉県の自宅を出発。石川県に向かったが、16日深夜、新潟県のJR長岡駅で新幹線から乗り換える予定だった夜行列車が大雪で運休。吹雪の中、困惑した母子はガソリンスタンドなどで、トラック運転手らに声をかけ、長岡市から輪島市まで300km余りをヒッチハイク。17日午前、試験開始10分前に会場に滑り込んだ。 新潟県内で乗せてくれたトラック運転手は、金沢市までの約束だったが、「輪島までいっちゃる」と高校の正門前まで送り届ける。 入試の作文は偶然にも「私が感動したこと」。生徒は運転手に助けられたことや母への感謝の気持ちを綴る。数日後、合否通知が手元に届く。結果は見事に合格だった。 トラック運転手は、母子には名前しか伝えなかったが、高校が探し出し連絡。トラック運転手は「本当によかった」と心から喜ぶ。トラック運転手にはこの受験生と同い年の娘がいた。 というもの。
 (神戸) カメラ/EPSON R-D1s レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4
この殺伐とした世でも、まだまだ捨てたものではない。もしかしたら「殺伐としている」のではなく、ちょっとシャイになりすぎた人が増えただけかもしれない。人の心には暖かい血が通っている。それが当り前のように顔を出さない、出せない社会環境となってしまっただけではないだろうか。このトラック運転手、最初は「かなん」と思ったに違いない。むしろ、「不気味」に感じた可能性もある。「万一、間に合わなかったとき、自分に責任がかかるのではないか、逆恨みされるのではないか」 そんな考えも脳裏をよぎった可能性もある。しかし、いつの間にか「間にあわしたる。どうにかしたる」と考えるようになり、安全運転第一で時間を気にしながらも300km余りを爆走したのだろう。探し出して連絡をした高校も温かい。みんなで勝ち取った「合格」という感じだ。 こういう出来事に出会うと、安心できる気分になる。しかし、以前では、「当り前の助け合い」なのかも知れない、と考えたとき、どこかに寂しさを感じざるを得ない…と、天を仰いで思うこと。
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