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ひざつき

投稿日時 2010-2-8 0:00:00
執筆者 rrb
ざつき
芸事の師匠について習うときの入門料、礼物。束修。膝をついてお願いするのでいう。「ヒザツキが必要どす」 もと膝突は座具であった。宮廷の祭祀で、地面に跪くときに、衣服が汚れないないように地上に置いた半畳ほどの布または薦(こも)の敷物。「膝つく」から。束修は古代中国で師匠に入門のとき、贈り物として持参した。「束ねた乾肉」の意。入門時の贈り物、入門納付金になった。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)





長い週末休みだったような感覚は、三が日明けが月曜日のせいでもあった。静かな中にもピンと張りつめた正月独特の緊張感が年々薄まる気がした今年の正月。街がにぎやかになり、季節感が失われたのかもしれない。点在するコンビニはもちろん、スーパーなど量販店の多くは元日から営業。百貨店も2日には開く。年々早まる初売りは「福袋」にけん引されたという。



インターネットで調べてみると、江戸時代に大丸が端切れ入りの徳用袋を売ったのが始まりとある。が、現在の流行は1980年代からだという。これは、コンビニ隆盛の時期と重なる。10年ほど前、東京の百貨店が元日に福袋を売って人気になった。老舗が守る「三が日は休み」のルールが崩れた瞬間でもあろう。繁華街の商店もこれにならった。最近はバーゲンを年末に始める店が増え、年末年始の境界線がさらになくなる。


(神戸) カメラ/EPSON R-D1s  レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4

売り上げがなかなか好転しない流通業界が、景気よく年始をスタートしたい気持ちはわかる。初詣で帰りに買い物するのも楽しい。しかし、安売り競争や休日を短縮する消耗戦はいずれ息が続かなくなる。業界ではリストラも増えている。元気のない消費の尻をたたくより、三が日を休み、心新たに一年を始める商いのスタイルに戻ることはできないだろうか。多くの人がそれぞれの家族と過ごす分、しんと静かな正月の繁華街は、今の時代だからこそ懐かしい気がするのだろうか…と、天を仰いで思うこと。


 




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