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ぬくい

投稿日時 2009-11-13 0:00:00
執筆者 rrb
くい
暖かい。「この下着はヌクイわ」 江戸時代には京都でアタタカイ、大阪でヌクイと言った。京都でもヌクイを使用するようになり、安原貞室の『片言』には、「あたたかなることをぬくきといふはよろしと云り」とある。ヌクタイのタイは、はなはだしいの意の接尾語。ヌクトイは天保年間ごろ葉江戸の言葉だった。ヌクナルは暖かくなるの意。「おじいちゃん、もうちょっとヌクナルと元気がでますのになあ」(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)

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方山話(87)  ちょっと気になる「ことば」の話
バイト語



多くの会社が社員教育に時間を割かなくなった結果うまれた言葉に「バイト語」がある。入社後、即戦力での仕事を求められている者は、手探り状態の中、アルバイト先の先輩がオリジナルで使っている言葉を、社会人の言葉として受け止め手本にすることによってうまれた言葉といえる。今回は、その事例をあげての言葉遊び。次の【想定】と【会話】から、おかしいと思う言葉を正してみよう!というものだ。

【想定】
田中さん一家は、家族4人で今週の土曜日の夜、レストランで食事をすることになり、店に予約の電話を入れました。フロア係の中沢さんが電話をとりました。

【会話】
中沢 「もしもし、レストラン ぺぺロッチです。」
田中 「今週の土曜日の夜7時から4人で予約をお願いできますか。」
中沢 「はい。ではお客様のお名前様から頂戴できますか。」
田中 「○×△□・・・」(声が小さくて聞こえない)
中沢 「は? あの〜、声が小さいので、もっと大きな声で話してください。」
田中 「田中です。」
中沢 「こちらのお店は初めてですか。場所はご存知でいらっしゃるんですかねぇ。」
田中 「はい。」
中沢 「それではですねぇ確認します。今週の土曜日の夜7時から4人で、お間違いございませんでしたでしょうか。」

さて、【会話】の中の「おかしいと思うところ」はいくつあったでしょう。その箇所を指摘するとともに、正しい言葉遣いに直してみよう。もし、直す箇所がないとしたら、それは相当「バイト語」に侵食されているという証だ。



【会話】
中沢 「もしもし、レストラン ぺぺロッチです。」
田中 「今週の土曜日の夜7時から4人で予約をお願いできますか。」
中沢 「はい。ではお客様のお名前様から頂戴できますか。」
田中 「○×△□・・・」(声が小さくて聞こえない)
中沢 「は? あの〜声が小さいので、もっと大きな声で話してください。」
田中 「田中です。」
中沢 「こちらのお店は初めてですか。場所はご存知でいらっしゃるんですかねぇ。」
田中 「はい。」
中沢 「それではですねぇ確認します。今週の土曜日の夜7時から4人で、お間違いございませんでしたでしょうか。」

と、下線部がおかしい箇所である。次にこの部分をどう直せばいいか…ということであるが、これは複数の答えがある。一般的な解答例を掲載する。

【解答例】
中沢 「はい、レストラン ぺぺロッチです。」
田中 「今週の土曜日の夜7時から4人で予約をお願いできますか。」
中沢 「ありがとうございます。ではお名前をお願いします。」
田中 「○×△□・・・」(声が小さくて聞こえない)
中沢 「恐れ入りますが、お電話が遠いようですので、もう一度お聞かせいただけますか。」
田中 「田中です。」
中沢 「私どもの店は初めてですか。場所はおわかりになりますか。」
田中 「はい。」
中沢 「それでは確認します。今週の土曜日の夜7時から4人で、よろしいですか。」

となる。


(神戸) カメラ/EPSON R-D1s  レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4

これは解答の一例で、他にも答えはある。しかし、ここでのもうひとつの注意は、あまり丁寧になりすぎても慇懃無礼になるということに気をつけなければならないということだ。言葉が足らないのも無礼であるが、有り余るのも無礼である。の回答の一例をみて、「ここはこういうほうがよいのでは?」と感じたところの言い回しをもう一度チェックしてみよう。もしかしたら、慇懃無礼になっているかも…。言葉の恐いところは、感覚に頼るがあまり、または、感覚の違いにより「足らない」のと「行き過ぎる(有り余る)」ことが多いということだ。正しい言葉遣いが薄れている今日、もう一度、言葉の本などを読むのも大切なことかも知れない…と、天を仰いで思うこと。
★前回のちょっと気になる「ことば」の話はここ(←クリック)


 




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