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風来坊

投稿日時 2009-4-18 0:00:00
執筆者 rrb
うらいぼう…どこからともなく来る人。気まぐれな人。流れ者。
◇ちょっと予備知識 → 風のように突然現れたり、去ったりすることから。
                類義語に風来人(ふうらいじん)・風来者(ふうらいしゃ)がある。

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、暖簾 (旧フォトヴィレッジ 2007年4月2日、11日掲載)



簾(すだれ)は、目隠しの役目もするが、同時に外観を飾るデザインでもある。京都の夏は蒸し暑い。それを快適に過ごす工夫だとも言われているけれど、実際は「地球環境のことを考えようよ」と言いたくなるようなクーラーががんがん回っている。それほど過ごしにくいのが京都の夏。



クーラーのない時代、この京都の夏を乗り越えるには、たいそう苦労したのだろうと想像する。家の造りで、母屋と離れの間に中庭を造り、表から裏に貫ける通り庭という土間を設置して、中庭に水を撒くと、その温度差で家の中を風が通って行くというようなデザインが誕生しているところからも生活の知恵と暑さ対策に力を注いでいる状況がうかがえる。



全面的に開けっぴろげに出来ないので、簾や暖簾(のれん)で目隠しをする。天然素材の簾や葦簾(よしず)や暖簾は町家のデザインと違和感なく溶け込み、涼しげである。と、いっても冬でも西日が当たるところは1年中すだれがかかったまま。そういう簾は色あせて朽ちてきているがどことなく町並みに溶け込んでいるから不思議。



簾(すだれ)と同じで、京町家には暖簾(のれん)がよく似合う。特に麻暖簾がよく似合うということだ。暖簾がかかっていると高級店舗のように思われて敬遠されるが、京都では暖簾は当たり前。ちょっとした店舗でも粋な暖簾がかかっていることが多い。



暖簾は看板と同じで店の顔であり、信用そのもの。そのため「宮内庁御用達」とか「御用所」とか「通産大臣賞受賞」などと書き込まれたものも見かけることがある。また、「本家」「宗家」「総家」「元祖」などと書かれたものもある。時系列的にどれが先なのかさっぱりわからない。丁稚(従業員)が暖簾わけ(新しく自分の店を許可されること)で、店を構えたところ、時代を経て分家のほうが商売繁盛して、どっちが本家かわからなくなった名残なのかも、という京の街のお話…今京都。 ※2、5枚めの写真はEPSON R-D1sで撮った京都東山花灯路2009の光景で本文とは関係ないのであしからず。


 




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