フォトヴィレッジ

檜舞台

投稿日時 2009-4-14 0:00:00
執筆者 rrb
のきぶたい…自分の腕前を披露する。晴れの場所。大舞台。
◇ちょっと予備知識 → もとは檜の板で張った一流の立派な舞台。
                類義語に晴舞台(はれぶたい)がある。

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だつ、むくり屋根、煙出し (旧フォトヴィレッジ 2007年3月20日、22日掲載)
家と家の仕切りのあたりに一段飛び出した形で盛り上がっているところを「うだつ(卯建)」という。



これは、境界線を表示するとともに、煙出しから出る火の粉を防ぐ防護壁の役目をも担っていた。装飾的な意味合いもあって、防護壁にしては低すぎるけれど、これも京都の町家の重要な外観デザインとなっている。よく自立できない場合や一人前になれない場合に「うだつがあがらない」という言葉が使われる。「うちの主人はうだつがあがりませんのよ」といえば、出世もままならないで、奥さんにイヤミを言われている疲れたサラリーマン亭主の姿が思い起こされるのは、悲しい現実か。



つまり、うだつをあげることが、自立ということであったらしい。それが転じてこのような転訛が起こったといわれる。そうだとすると、「うだつ(卯建)」が誇示するところは、長屋住まいから一戸建ての家を購入するか、新築したりすることの意味で、境界線を造ったのが始まりなのかもしれない。
次は、「むくり屋根」と「煙出し」。



京都の町家の屋根は、少しだけ丸みを帯びていて弧を描いているように作られている。この屋根のことを「むくり屋根」という。それは気象条件を加味して作られているという。本当かどうかわからないけれど、雨を受けるときには、なるべくゆっくり受け、受けた後は弧を描くように滑り落ちるようになっているということ。そもそも瓦は一枚一枚の間に隙間があるので横殴りの雨が降れば、隙間からしみ込んでくる。この横殴りの雨が京都は少なく、つまり、京都の雨はしとしと降るということらしい。確かに古都には、しとしと降る雨が似合うけれど…本当だろうか。町家では軒先の勾配を大きく取るためにもこの屋根は有効で、雨水をしっかりと集めるためにも有効であることには間違いない。



屋根の上に突き出したもうひとつの小屋根(テレビのアンテナの左)が「煙出し」。これは台所などの煙を外に出す装置で、粋なことにちゃんと瓦葺きの小屋根となっている。煙出しの下には、たいていは台所がある。町家だけでなく、大きなお寺の方丈と呼ばれる建物にも煙出しが見られる。最近は煙出しがなくて、天窓だけがある町家の方が多いかもしれないということ。こういう知恵が詰まった建物はいつまでも残って欲しい、という京の街のお話…今京都。 ※2、4枚めの写真はEPSON R-D1sで撮った京都東山花灯路2009の光景で本文とは関係ないのであしからず。


 




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