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長丁場

投稿日時 2009-4-2 0:00:00
執筆者 rrb
がちょうば…区間が長いこと。物事が長い間続くこと。
◇ちょっと予備知識 → 「丁場」は宿場と宿場の間。「長町場」とも書く。
                類義語に長期戦(ちょうきせん)がある。

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地蔵さん  (旧フォトヴィレッジ 2006年10月15・16日掲載)



京都では8月のお盆が終わった後の24日ごろに地蔵盆というお祭りがされている。これは町内単位で行われる子供のための無病息災、子育てのお祭り。基本的に各町内にお地蔵さんがある…というより、地蔵物語とシリーズで紹介しているとおり、至る所にあるという感じ。京都の町内は、規模が小さく60世帯もあれば多いほうだと言われている。この地蔵盆、最近では土・日に行われることが多く、お盆が終わった後の土・日に京都の町中を散策すればあちこちで地蔵盆の行事を見ることが出来る。



聞くところによると、少子化と核家族化によるドーナツ化現象で子供がいない町内もあるらしいが、行事は続けられているとのこと。行事を続けることも大変だが、それにもまして大変なのがお地蔵さんの維持管理。このお地蔵さん、どこのお寺にも属さず、どこの宗派にも属していないという。それなのに立派なお堂に収まっていたり、祠にお祀りされていたりする。



いったい誰がお世話をしているの? と疑問を持つが、お花やお線香のお供え物は、町内の信心深いおばあさんなどによるボランティア。今では輪番制としている町内もあるみたいだけれど…本来はおばあさんなどによるボランティアだということ。もっともお世話をしているおばあさんたちにとっては、ボランティアだとは思っていないところが、最近の奉仕活動と違うところ。世話をするのは当たり前で、日常生活の一部になっているという。だからこそ、いつもキレイに維持されているのだろう。



さて、8月の後半の土・日は京都の町中は地蔵盆一色になる。ここの角を曲がっても、あそこの角を曲がっても、提灯がぶら下がり、テントが設置され、小さい道などは通行止めにさえなっていて、歩行者天国と化している。提灯に染め抜かれた文字は「大地蔵菩薩」以外に「大日如来」や「子育て地蔵」もある。これは、町内の祠に祀られている本尊が、3つも4つもあって、どれがお地蔵さんでどれが大日如来かわからなくなっているからだと言われている。町内によって日程は異なるけれど、最近では1日で終わるところが多くなっているという。



地蔵盆の会場となる場所は、町内の役員の家の表の間であったり、ガレージであったり。格子戸をはずすと、会場に早変わり。そこで町内の子供たちは一日中遊ぶ。おやつの時間やくじ引きの時間があって、楽しい時間を過ごす。どこの宗教にも属していないが、仏教の行事であるので、近くのお寺さんがお経をあげに来たりする。そして、大きな数珠回しをしたり、お説教を聴いたりもする。こういう光景を見ていると長い間培われた京都の自治組織のパワーを見る思いがする。



夏休み最後の土・日は地蔵盆を求めてぶらりと京都の街を散策するのも一興かも。「ちょっとそこのお兄さん、お姉さん。あっ、お父さんもお母さんも、ちょっと寄っておいきやすぅ」と声がかかるかも、という京の街のお話…今京都。 ※写真はEPSON R-D1sで撮った京都東山花灯路2009の光景で本文とは関係ないのであしからず。


 




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