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自由闊達

投稿日時 2008-10-14 0:00:00
執筆者 rrb
ゆうかったつ…度量が大きく、小事にこだわらないこと。心が広く、おおらかで気取りがないこと。
◇ちょっと予備知識 → 「闊達」は心が大きく、些細なことにこだわらないこと。
                「豁達」とも書く。「闊達自由」ともいう。
                類義語に闊達自在(かったつじざい)・天空海闊(てんくうかいかつ)がある。

松稲荷社
京都市山科区小野の閑静な住宅街の一角。旧奈良街道から東へ、畑に沿って100mほど歩くと、サカキやカシの木々に囲まれた祠(ほこら)がある。折松(おりまつ)稲荷社と呼ばれ、名前の通りキツネを祭る小さな社だ。地元の伝承によると、夜な夜なキツネが集落を歩き回り安全を守ってきたといい、御利益に感謝した住民が明治の中ごろに建て、その後、125年にわたって大切にしてきたという。


(獣道のように見えるがこれが参道)


(本当に参道)


(民家の横をすり抜け)


(畑の畦道を進む、これも参道)


(やっと鳥居が見えてきた)

かつて宇治郡山科村小野と呼ばれた一帯で、近くに平安時代の歌人・小野小町とゆかりの深い随心院があるなど歴史的情緒が豊かな地域。祠(ほこら)は小高い丘のようなところにあり、その後ろには洞穴がある。今は石でふさがれているが、かつては実際にキツネがすみ、住民は「九郎兵衛」と名付けていたという。



住民は伝承通りにキツネが集落を守ってくれたと、1883(明治16)年2月、栗栖野の折上神社からキツネに「正一位折松大明神」の称号をもらい、祭神として祠を建立。さらに「折松講」を結成し、住民の手で長く守ってきた。今も変わらず、2月の初午祭と11月の御火焚祭を続け、地域の安全と住民の息災を祈っている。



農耕を営む人々にとって人と自然がいかに深く結びついていたかを教えてくれる言い伝えではないだろうか、と想像する。



近年になって住民たちは祠(ほこら)の前に鳥居を建て、風雨をしのぐ屋根も設けた。また、折松講をつくった人たちがほこらを建てたいきさつを記した文献も見つかり、それを基にして1987(昭和62)年には祠(ほこら)の由来を説明する立て札も立てた。



併せて、キツネの伝承と、住民の取り組みを地元の小学生に聞かせるなど、しっかりと地域に折松稲荷社の由来を根付かせている。今は、かつてのような自然や動物との交わりがどんどん少なくなっている。そんな時代だからこそ、祠(ほこら)を大切にして後生に伝えて欲しいと思う…今京都。


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