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一宿一飯

投稿日時 2008-9-18 0:00:00
執筆者 rrb
っしゅくいっぱん…一晩泊めてもらったり、食事を恵んでもらったりして、他人の世話になること。そのようなちょっとした恩義でも忘れないようにとの戒め。
◇ちょっと予備知識 → 昔、博徒には他人の世話になったことを一生の恩義とする風潮(仁義)があった。
                類義語に一飯之恩(いっぱんのおん)・一飯之報(いっぱんのむくい)がある。


以前にも掲載したが「はる」のお話。京都では、「赤ちゃん笑(わ)ろたはる」「泣いたはる」という具合に、赤ちゃんという、いわば自分より目下の者にも敬語を使う。同じ関西でもよく似た言い方はあるが、目上の人にしか使わない。他の地域の方にとっては、この「〜してはる」という京都独特のことばづかいが大変不思議に聞こえるようだ。



京都で赤ちゃんに敬語を使うのにも、理由がある。赤ちゃんというのは、そのお家の方にとっては大事な大事な宝物。その大切な相手の宝物に対して敬意を表すのはあたりまえで、「笑っている」というのはやはり失礼な言い方だと感じる。時には犬や猫などのペットにまで、この「〜しはる」を使うことがあるくらいだ。京都では、小さい頃から相手のことを考えて敬語を使うことが習慣として身についている。



また、「赤ちゃん笑(わ)ろたはる」ということばは、もちろん敬語には違いないが、だからといって「笑っていらっしゃる」という、そんなよそよそしい敬語とは少し違う。赤ちゃんもそのお家の家族の一員だということをちゃんと認め、赤ちゃんの人格を尊重した上で、親しみの気持ちを込めていうことばだ。



人と人とのつながりを何よりも大切にする京都だからこと生まれたことばだと思う。京都では、赤ちゃんに対しても、目上の方に呈しても、同じ表現をする。



「慇懃無礼」ということばも存在し、確かに、うわべだけが丁寧で、実は相手を見下しているのは失礼なこと。人様に対して乱暴なことばづかいや無礼なことばを使うよりは、丁寧すぎるほうがよいと京都人は考えているという京都の文化のお話…今京都。 ※写真は京都の町並みで本文とは関係ないのであしからず。


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