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寛仁大度

投稿日時 2008-8-14 0:00:00
執筆者 rrb
んじんたいど…寛大で、慈悲深いこと。情け深く度量が大きいこと。
◇ちょっと予備知識 → 「寛仁」は心が広く、情けが深いこと。
                「大度」は度量が大きく、些細なことにはこだわらないこと。
                「態度」と書くのは誤り。
                類義語に豁達大度(かったつたいど)・寛洪大量(かんこうたいりょう)がある。

盆 vol.3  vol.2はここ
8月16日、京の夏の夜空に燃え上がる大文字。この行事は全国的に有名であるが、決して京都の夏の夜の観光イベントではない。お盆の最後の行事として、ご先祖様をお浄土にお送りするための仏教行事である。



この大文字の送り火のことを、他の地方の方が「大文字焼き」といわれることがあるが、そういわれることを京都人は心よしとは思っていない。送り火は山焼きではない。ご先祖様をお送りするために灯す清らかな「火」なのである。



この送り火がいつ頃から始まったのか、確かな記録はないという。しかし、記録がないということは、一般民衆がはじめたものであるといわれている根拠ともなっている。お盆の13日にお迎えしていた我が家のご先祖様をお送りする火が、別れを惜しむかのように、門口から辻に、そしてより遠くまでと、人々が次第に山へと登りはじめ、それがやがて大文字の送り火にまで発展したのではないかといわれている。



「大」の文字にもいろいろな説があり、時の権力者に殺された町衆の姿を表しているとか、弘法大師様が書かれた文字であるとか、これもいまだ確かなことはわからない。この行事は五山の送り火ともいわれるように「大」の文字(如意ヶ岳)だけではなく、「妙法」(松ヶ崎)、船形(船山)、左大文字(衣笠山)、鳥居形(嵯峨鳥居本)と、西へ西へ次々と点火される。昔はこの他にも「い」「一」「竹に鈴」「蛇」「長刀」などがあったと伝えられている。



送り火の点火に用いられている護摩木に姓名・年齢などを書いておさめると厄除けになるといわれている。また、消し炭を白い奉書紙に巻いて水引をかけ家に吊るしておくと、盗難除けのお守りになるとか、煎じて飲めば腹痛がおさまるとか、盃に水を入れ大文字の大の字を映して飲むと願い事がかなうとも無病息災に暮らせるともいわれている。このことは以前にもうひとつの五山に掲載したが、まさにこれが京都の発想なのである。



大文字の送り火を見る機会があれば、送り火を見ながらお酒を飲むといったことだけは避けて欲しいものだ、送り火に向かって手を合わせ、涙している京都人もいるのだからという京都の文化のお話…今京都。 ※写真は京都の町並みで本文とは関係ないのであしからず。

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