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極楽浄土
投稿日時 2008-7-5 0:03:44
執筆者 rrb
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ごくらくじょうど…苦しみのない理想の世界。また、この上なく幸せな状態のたとえ。 ◇ちょっと予備知識 → 仏教で、西方のかなたにあり、阿弥陀仏がいるとされている死後の理想郷。 類義語に九品浄土(くぼんじょうど)・極楽世界(ごくらくせかい)・ 西方浄土(さいほうじょうど)・十万億土(じゅうまんおくど)がある。
お猿のかごや (童謡物語第13弾) vol.2 vol.1はここ(←クリック) 唱歌「箱根八里」で ♪ 箱根の山は 天下の険… と、歌われるように当時の箱根越えは命がけだった。 ♪ 日暮れの山道 細い道… は、まさに、 ♪ 羊腸の小径… だったのである。羊腸とは、文字通り羊の腸のことであるが、羊の腸はくねくねと曲がっている。 つまり羊の腸のように、くねくね曲がった小径が続いているのが箱根の山なのである。さらに、くねくねとした険しい細い道だけでなく、物の怪が棲み、夜になると徘徊すると信じられていた。 何しろ、このかごに乗っているのは、 ♪ お客はおしゃれの こん狐… だったのである。

さて、少しお話は変わるけれど、小田原提灯には3つの徳があるという。 1つは携帯に便利だったこと。これ以前の提灯は折りたためなかったが、小田原提灯は箱型といって小さく折りたためるようになっている。 2つめは雨風にあたっても破れないこと。 3つめは提灯の蓋が道了尊(どうりょうそん)の霊木で作られていたこと。道了尊とは、小田原の町の守り神ともされた大雄山最乗寺のことを示し、そこの寺に立つ木で蓋を作ったのである。つまり、霊木ということであるから物の怪が棲むという箱根の細い道を通るときの魔よけになるという。

このことから小田原提灯はヒットする。 おまけに、箱根越えは、ただでさえ、 ♪ 昼なお暗き… だったわけであるから、小田原提灯は大変な人気商品となる。 小田原提灯は、かごやにとっても必要な物となった。かごを使う人といえば、一般庶民ではない。身分の高い人や少数の老人や病人、怖がりの若い女性と相場が決まっていた。 それも、 ♪ 日暮れの山道 細い道… というのだから、帰りが遅くなったり急な用事でもない限り、贅沢なかごやを使う人などいなかった。

夕暮れともなれば狐狸妖怪(こりようかい)、魑魅魍魎(ちみもうりょう)に遭わぬように小田原提灯をぶら下げる必要があった。小田原提灯は一種のお守りみたいなものだった。 しかし、そのお客が、この童謡ではキツネになっている。 ♪ お客はおしゃれの こん狐(ぎつね)… きつねに遭わないために小田原提灯をぶら下げていたにもかかわらず、どうしてそのお客がキツネでなければならないのだろうか?

ここにこの歌の面白味がある…今京都。(続く。次回は2008年7月8日に掲載) ※写真は京都の町並みで本文とは関係ないのであしからず。

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