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七難八苦

投稿日時 2008-5-27 0:08:06
執筆者 rrb
ちなんはっく…この世のさまざまな苦しみや災難。ありとあらゆる災い。
◇ちょっと予備知識 → 元は仏教語。「七難」はこの世で受ける7種の災難の事。「八苦」は「四苦八苦」を参照。
                類義語に四苦八苦(しくはっく)・艱難辛苦(かんなんしんく)がある。

りがつく
あげくのはてをとりあげたならば、はずせないのが「けりがつく」。「けりがつく」「けりをつける」もまた日常よく使われることばである。



物事が解決できた、決着がついた、ようやく片付いた、とひといきついた状態。とはいっても、最高の結果が得られて上機嫌といった気分ではない。
「あげくのはて」と同じようにいろいろ大変だったけれども、それでもなんとか「けりがついた」、どうにかこうにか「けりをつけることができた」と、ほっとしている様子が伺える。



「あげくのはて」が連歌・連句から生まれたことばに対して、「けりがつく」は和歌や俳句から生まれた。和歌や俳句は最後が助動詞の「けり」で終わることが多い。



ちなみに『小倉百人一首』をみてみると、「けりがつく」歌は百首中、八首。
他に「けるがつく」歌もいくつかある。さらに「かながつく」歌は、数え上げると十二首あるから、「けりがつく」歌が目に余って多いということでもない。



和歌の最後を「けり」で結ぶ手法は平安中期の古今調の和歌が登場して以降のことで、たとえば『万葉集』では「けりがつかない」のであった。
かぐや姫の物語として知られる『竹取物語』。これは平安前期の頃の作品で、わが国の物語の祖とされるが、この物語が「今は昔、竹取の翁といふものありけり」とはじまる。このころから「けりがつく」ようになったのかもしれない。



ただし、和歌の最後の「けり」は、つければいいというものではない。よほど上手く使わないと、ありふれた駄作になってしまう。



「けりがつく」という言葉、苦労して頭をひねりながら、どうにかこうにか下手な歌を詠み上げましたという雰囲気が漂ってしまう。



昔の人は決してスラスラと和歌や連歌を詠んだわけではない。歌詠みには歌詠みのさまざまな苦労があったことがよくわかる。
さらに、「けりがつく」という言葉、決して褒め言葉とはいえないので、使用の時にはご用心あれ。



いずれにしても「けりがつく」は、意外なことに語源が京都にあった言葉のお話vol.19…今京都。前回の語源は「あげくのはて」(←クリック)。 ※写真は京都の町並みで本文とは関係ないのであしからず。


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