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きゃらかんさん/青龍寺

投稿日時 2017-10-31 0:00:00
執筆者 rrb
京都市東山区の霊山観音参道に続く道沿いに「きゃらかんさん」の通称名で知られる青龍寺がある。平安建都とともに歩んできたその歴史は、有名寺院の集まる東山地域の中でも最古級で、唐から渡来した霊木のご本尊が逸話を伝える。

青龍寺の本尊は、伽羅観音(きゃらかんのん)菩薩像。788年、唐の徳宗皇帝が観音さまの夢を見た。夢のお告げで、日本の桓武天皇に観音像を贈るようにと聞いた皇帝は、香木の伽羅を日本への使節に託した。受け取った天皇の命で、伝教大師最澄が香木から観音像を彫り上げたという寺伝がある。

観音像は当初、皇室の内仏だったが、民衆にもお参りしてもらおうと、長岡京近郊の小塩山に大宝寺を創建して安置した。寺は平安京への遷都とともに現在地に移り、戦乱の中で名を変えながら天台宗から浄土宗となったが、像はずっと守られてきた。

本堂にある観音菩薩像は、しなやかで優美な姿。傷みが激しく、香木とは言え、実際に芳香が漂うわけではないが、かぐわしい雰囲気ということだ。「『きゃらかんさん』の名がどうしてついたのかは不明。嗅覚に訴えるような本尊に加え、聴覚を呼び覚ます念仏石、空から落下したいん石と伝えられ別名「カンカン石」も有名。

1192年、後白河法皇の菩提を弔うため、法然の弟子見仏が、法然を招いて念仏を上げた。これが、一日に六回、読経する浄土宗の六時礼賛念仏の始まりとされ、石は鐘の代わりに念仏の調子をとるために使われたという。

青龍寺は、洛陽三十三カ所観音巡礼の第9番目の札所…という今京都。








《京都・青龍寺》

中に入れなかったのが残念だね





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