フォトヴィレッジ

続・銭湯

投稿日時 2017-9-28 0:00:00
執筆者 rrb
京都の銭湯は石川県出身者が多いというお話。1991(平成3)年という古いデータで申し訳ないが、京都府下の銭湯は約70%が石川県人で占められている。そして京都ばかりか、大阪府下では約50%、兵庫県下でも奈良県下でも占める割合は多い。関東でも石川県人は頑張っているという。もっとも東京では新潟、富山県人のほうが多く、石川県人はそれに次ぐ第3位で約25%。神奈川県では約50%となっているらしい。千葉県でも約35%というから、日本の大都市の銭湯はあきらかに石川県人を筆頭に北陸人が支えているといえる。中でも京都は70%とその割合はダントツである。

なぜ、石川県人が多いかという理由はいくつかあるようだが、雪の多い北陸には出稼ぎの習慣があり、酒造りの杜氏らが出稼ぎ先の京都にとどまって開業したのがはじまりといわれている。おまけに重労働の銭湯の仕事に、郷里の地縁・血縁者を呼び寄せ、彼らが所帯をもち、経験を積んで独立開業する。さらに同郷の若者を呼び寄せるという循環が定着して安心して働きに出られる就職ルートが確立したのではないというのが一番強い説。

銭湯の組合や業界団体でも石川県出身者の連帯感は強く、石川県内でもその出身地域別にきめ細やかな同郷団体が結成されているという。それが心の支えとなり、また経営上の情報交流になり、地縁血縁ネットワークはさらに張り巡らされていく。

2002(平成14)年11月時点の京都府下の銭湯経営者273人のうち「○出さん」という姓の方は約10人。「中出さん」の三人がもっとも多く、「東出」「西出」「北出」「上出」「山出」となっている。各都市に出てきたら「○出さん」なのだろうかとも気になるが…ともかく「○出さん」という姓が多いようだ。

銭湯の始まりは、平安時代末の京。鎌倉時代になると僧侶達が身を清める為に、寺社に設置されていた「浴堂」を一般にも無料で開放する寺社が現れて、やがて荘園制度が崩壊すると入浴料をとるようになり、これが本格的な銭湯の始まりと言われている。つまり、「京都は銭湯の発祥の地」…という今京都。






《京都・あちこち》

銭湯物語の最新バージョンを調べてよ。廃業とかで様子が変わってるかも…だよ





フォトヴィレッジにて更に多くのブログを読むことができます。
http://www.rrbphotovillage.jp

このブログのURL
http://www.rrbphotovillage.jp/modules/rrbblog/details.php?blog_id=1645