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公明正大

投稿日時 2008-4-24 0:07:40
執筆者 rrb
うめいせいだい…心が公平で、私心がなく、不正や隠し事がないこと。またそのさま。
◇ちょっと予備知識 → 類義語は公正平等(こうせいびょうどう)・公平無私(こうへいむし)・
                心地光明(しんちこうめい)・大公無私(だいこうむし)がある。

枚舌



「うそをつくと閻魔さんに舌を抜かれるで」というのは、この「二枚舌」からきたようだ。「二枚舌」の一方を抜くことで、一枚だけの健全な舌に戻しましょうということだったのだろう。



たった一枚しかない舌をくぎ抜きのような怖い道具で抜き取ってやろうなどと脅すつもりは閻魔さんにはなかったのかもしれない。



このように閻魔さんが登場するのは「二枚舌」がそもそも仏教用語を語源とするから。
今、一般に使われている「二枚舌」の意味を調べると「ウソをつくこと」と出ているが、単なるウソつきというよりは、あっちではこういい、こっちではこういうといった、あちらこちらで矛盾したことを平気でいうようなうそのつき方だ。



しかし、もともとの仏教用語には、うそをつくという意味はなかったようだ。「二枚舌」はサンスクリット語を訳した言葉で、仏教では「両舌(りょうぜつ)」ともいわれる。
そして、これは仏教でいわれる十悪業のひとつで、ふたりの人にそれぞれ別のことをいい、その結果、ふたりの仲を裂くことを意味するらしい。



つまり、悪口や陰口をコソコソいうのも「二枚舌」という十悪業のうち。「うそをつくと閻魔さんに舌を抜かれるで」ではなくて、「悪口をいうと閻魔さんに舌を抜かれるで」にすべきだったのかも…。



ところで、仏教の十悪業には「二枚舌」とは別に「悪口」というのもある。現在使われている「悪口」という言葉は、仏教でいえば「二枚舌」のこと。では、仏教でいう「悪口」とは何をさす?



これは「わるくち」ではなく「あっく」と読む。直接、相手に向かって悪い言葉を吐き、人を傷つける行為をいうそうだ。



そういえば「悪口祭」を「あくたれ祭」とか「あっこう祭」と呼ぶ。これはかつて八坂神社でも大晦日の除夜祭として行われていたもので、この種の祭りは全国にみられた。
暗闇のなか、すれちがう見知らぬ他人同士が互いに悪口を言い合い、ののしり合い、言い負かしたほうが勝ち。新年の縁起をかついで悪口を言い合うというユニークな祭り。



大晦日の夜に、十悪業の悪口を全て吐き出して、新年を清らかに迎えるという人々の知恵だったのではないだろうか。



今の時代では一歩間違えば殺人事件にまで発展しそうなお祭りかもしれないね。いずれにしても「二枚舌」は、意外なことに語源が京都にあったのではないかというお話vol.17…今京都。前回の語源は「気質」(←クリック)。※写真は掲載しようとして忘れていた「十日ゑびす」の光景で本文とは関係ないのであしからず。

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