rrbのブログ - 2010/01/24のエントリ
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天を仰いで思うこと せんど 2010/01/24 12:00 am
せんど
二種のセンドがある。たくさん、十分に、毎度、長時間の意味で全高のアクセントのセンド。「センド教えてあげたのに」「センド言うて聞かせました」「センド待ったのに来やはらへん」「千度も」の意味から。安永4年刊『物類称呼』に「多いといふことを(中略)京にてせんどといふ」と。センドのンに高さアクセントがあるとき、先日、以前、千度の意味になる。「センドお目にかかったとき」「センドはお世話になりました」(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
京都弁(3) (2)はここ(←クリック)

共通語で「京都へ行こう」は、京都弁では「京都へ」の「へ」を省略して「京都行こか」となる。このように京都弁では、一般的に助詞の「は」「が」「と」「を」「へ」を省略することが多くある。例えば「年が若い」し「年若いなあ」、「空が青い」は「空青いなあ」、「ないと思う」は「ない思うなあ」、「花を植えよう」は「花植えよか」という感じだ。
そして、京都弁特有の表現として、「手」「目」「歯」などの一音の発音を、「手ぇ」「目ぇ」「歯ぁ」というように引き伸ばす。その他「怖い!」「熱い!」「ひどい!」などのいわゆる「感嘆表現」を、京都弁では語尾を省略して、「怖(こわ)!」「熱(あつ)!」「ひど!」と言う。さらに、その上に「いやっ!」を乗せれば、より驚きが強調される。「いやっ!」は共通語の「うわっ!」「ええっ!」に通じる言葉で、「いやっ!えらいきついこと言わはるわあ」(ええっ!本当にきついこと言うのですね)や「いやっ!この服ええわあ」(まあ!この服いいわね)というように用いる。

京都には長い間、御所が存在していた。そのため、宮中で話されていた御所言葉の影響を受けている部分がある。したがって、京都弁は、大きく分けて御所で離されていた公家言葉と、街中で話されていた町言葉に分類される。公家言葉は、宮中や宮家、公家の間で室町時代から女官によって話されていた言葉だが、町言葉は、話す人の職業や地域によって分類される。「中京ことば」は、中京区を中心に室町の問屋街などで話されることばで、町言葉の代表的なものとされる。
「職人ことば」は、西陣の織物に従事する人たちのことば。
「花街ことば」は、祇園などの花街で舞妓や芸妓などによって話されることば。
「伝統工芸語」は、京焼、京友禅などの現場で話されることば。
「農家ことば」は、大原、口丹波など京都周辺の農村部ではなされることば。

(神戸) カメラ/EPSON R-D1s レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4
京都弁で興味深いのは、直接的な言い方を避けて婉曲的で非断定的な言い回しをするところだ。「〜してください」と標準語で言うところを、京都弁になると、「〜してもらわしまへんやろか」となる。遠回しの表現が京都らしい。断る時も同様で、「おおきに」とか「考えときまっさ」などといった曖昧な返事をする。角の立たない断り方は、京都ならではのものである、ということで、今回の「京都弁」についてはおしまい。
さて、このブログも、そろそろ連続更新が難しくなってきた。連続更新が途絶えても堪忍してもらわしまへんやろか…と、天を仰いで思うこと。
★関連記事は、京ことば(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)

二種のセンドがある。たくさん、十分に、毎度、長時間の意味で全高のアクセントのセンド。「センド教えてあげたのに」「センド言うて聞かせました」「センド待ったのに来やはらへん」「千度も」の意味から。安永4年刊『物類称呼』に「多いといふことを(中略)京にてせんどといふ」と。センドのンに高さアクセントがあるとき、先日、以前、千度の意味になる。「センドお目にかかったとき」「センドはお世話になりました」(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
京都弁(3) (2)はここ(←クリック)

共通語で「京都へ行こう」は、京都弁では「京都へ」の「へ」を省略して「京都行こか」となる。このように京都弁では、一般的に助詞の「は」「が」「と」「を」「へ」を省略することが多くある。例えば「年が若い」し「年若いなあ」、「空が青い」は「空青いなあ」、「ないと思う」は「ない思うなあ」、「花を植えよう」は「花植えよか」という感じだ。
そして、京都弁特有の表現として、「手」「目」「歯」などの一音の発音を、「手ぇ」「目ぇ」「歯ぁ」というように引き伸ばす。その他「怖い!」「熱い!」「ひどい!」などのいわゆる「感嘆表現」を、京都弁では語尾を省略して、「怖(こわ)!」「熱(あつ)!」「ひど!」と言う。さらに、その上に「いやっ!」を乗せれば、より驚きが強調される。「いやっ!」は共通語の「うわっ!」「ええっ!」に通じる言葉で、「いやっ!えらいきついこと言わはるわあ」(ええっ!本当にきついこと言うのですね)や「いやっ!この服ええわあ」(まあ!この服いいわね)というように用いる。

京都には長い間、御所が存在していた。そのため、宮中で話されていた御所言葉の影響を受けている部分がある。したがって、京都弁は、大きく分けて御所で離されていた公家言葉と、街中で話されていた町言葉に分類される。公家言葉は、宮中や宮家、公家の間で室町時代から女官によって話されていた言葉だが、町言葉は、話す人の職業や地域によって分類される。「中京ことば」は、中京区を中心に室町の問屋街などで話されることばで、町言葉の代表的なものとされる。
「職人ことば」は、西陣の織物に従事する人たちのことば。
「花街ことば」は、祇園などの花街で舞妓や芸妓などによって話されることば。
「伝統工芸語」は、京焼、京友禅などの現場で話されることば。
「農家ことば」は、大原、口丹波など京都周辺の農村部ではなされることば。

(神戸) カメラ/EPSON R-D1s レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4
京都弁で興味深いのは、直接的な言い方を避けて婉曲的で非断定的な言い回しをするところだ。「〜してください」と標準語で言うところを、京都弁になると、「〜してもらわしまへんやろか」となる。遠回しの表現が京都らしい。断る時も同様で、「おおきに」とか「考えときまっさ」などといった曖昧な返事をする。角の立たない断り方は、京都ならではのものである、ということで、今回の「京都弁」についてはおしまい。
さて、このブログも、そろそろ連続更新が難しくなってきた。連続更新が途絶えても堪忍してもらわしまへんやろか…と、天を仰いで思うこと。
★関連記事は、京ことば(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)

