rrbのブログ - 2010/01/22のエントリ
ヘッダーナビゲーション
現在のカテゴリー位置
サイト全体のカテゴリーナビゲーション
天を仰いで思うこと てんと 2010/01/22 12:00 am
てんと
全く。まるで。さっぱり。「このごろは不景気でテント売れしまへん」「株が下がってテントあきまへんな」「天から」が変化した。「頭から」「最初から」の意味になった。「てんで話にならん」のテンデは「天で」から。「トント忘れてた」のトントとも同系。チントは「きちんと」の意。キチットともいい、「散らかしたものはチント元通りに直しときや」 正確に折り目正しくの意味。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
京都弁(1)

タイトルにも使用している「京ことば」。以前に8回の連載で掲載したが、もう少し簡略的に考えてみようと再度取り組んでみた。さて、現在、京都弁は関西弁という枠組みの中に位置づけられているが、同じ関西弁でも他の地域に比べて、著しい特色がある。京都は朝廷と公家を中心に貴族の文化を育んできた都であるから、他の地域の関西弁と比較して、上品な言葉使いが特色となっている。

関西人といえば、一般的に「ズケズケと物を言う」「なれなれしい」というイメージであるが、京都人はそのイメージとは逆で、お互いの「適度な距離の人間関係」を重視する。そのため京都では馴れ馴れしくしたり、はっきりとした物言いを避ける風潮がある。典型的な例として知られているのが、長居の客に帰って欲しいときに言う「ぶぶづけでも一杯どうどす?」(お茶漬けでも一杯どうですか?)という一言だ。こう言われた客は、帰ってもらいたいという相手の気持ちを察して、丁重にお断りして帰宅するという暗黙の了解が京都にはある。

(神戸) カメラ/EPSON R-D1s レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4
京都弁といえば、言葉の最後に「どす」がつくというイメージが一般的だが、実は、今日の京都では「です」という共通語が一般的である。さらに付け加えると、千年前の京都でも公家や武家たちは「どす」をほとんど使用していなかったといわれる。では、共通語の「です」を、京都人は「京都弁」として、どのように使用しているのか。それは、「なぁ」との組み合わせで、京都弁として成立させているという。先に書いたように、京都人は断定を避けた物言いをする風潮がある。例えば、共通語の「そうです」は京都弁では、「そうですなぁ」となる。「どす」と同じく「おす」も「です」と同じ意味を持つ京都弁だが、厳密には「おす」は「明るおすなぁ」(明るいですね)や「丸うおすなぁ」(丸いですね)などの形容詞に、一方「どす」は「あれは東山どす」(あれはヒガシヤマです)や「これが金閣寺どす」(これが金閣寺です)などの名詞に用いる。少し京都弁(京ことば)について、まとめなおしてみよう…と、天を仰いで思うこと。
★関連記事は、京ことば(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)

全く。まるで。さっぱり。「このごろは不景気でテント売れしまへん」「株が下がってテントあきまへんな」「天から」が変化した。「頭から」「最初から」の意味になった。「てんで話にならん」のテンデは「天で」から。「トント忘れてた」のトントとも同系。チントは「きちんと」の意。キチットともいい、「散らかしたものはチント元通りに直しときや」 正確に折り目正しくの意味。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
京都弁(1)

タイトルにも使用している「京ことば」。以前に8回の連載で掲載したが、もう少し簡略的に考えてみようと再度取り組んでみた。さて、現在、京都弁は関西弁という枠組みの中に位置づけられているが、同じ関西弁でも他の地域に比べて、著しい特色がある。京都は朝廷と公家を中心に貴族の文化を育んできた都であるから、他の地域の関西弁と比較して、上品な言葉使いが特色となっている。

関西人といえば、一般的に「ズケズケと物を言う」「なれなれしい」というイメージであるが、京都人はそのイメージとは逆で、お互いの「適度な距離の人間関係」を重視する。そのため京都では馴れ馴れしくしたり、はっきりとした物言いを避ける風潮がある。典型的な例として知られているのが、長居の客に帰って欲しいときに言う「ぶぶづけでも一杯どうどす?」(お茶漬けでも一杯どうですか?)という一言だ。こう言われた客は、帰ってもらいたいという相手の気持ちを察して、丁重にお断りして帰宅するという暗黙の了解が京都にはある。

(神戸) カメラ/EPSON R-D1s レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4
京都弁といえば、言葉の最後に「どす」がつくというイメージが一般的だが、実は、今日の京都では「です」という共通語が一般的である。さらに付け加えると、千年前の京都でも公家や武家たちは「どす」をほとんど使用していなかったといわれる。では、共通語の「です」を、京都人は「京都弁」として、どのように使用しているのか。それは、「なぁ」との組み合わせで、京都弁として成立させているという。先に書いたように、京都人は断定を避けた物言いをする風潮がある。例えば、共通語の「そうです」は京都弁では、「そうですなぁ」となる。「どす」と同じく「おす」も「です」と同じ意味を持つ京都弁だが、厳密には「おす」は「明るおすなぁ」(明るいですね)や「丸うおすなぁ」(丸いですね)などの形容詞に、一方「どす」は「あれは東山どす」(あれはヒガシヤマです)や「これが金閣寺どす」(これが金閣寺です)などの名詞に用いる。少し京都弁(京ことば)について、まとめなおしてみよう…と、天を仰いで思うこと。
★関連記事は、京ことば(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)

