rrbのブログ - 2010/01/21のエントリ
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今京都 のりかいもん 2010/01/21 12:00 am
のりかいもん
糊をつけてこわばらせた衣服。糊づけをすることを「糊を飼う」といった。飼うは食を与えるの意。「ノリカイモンで身につかん」という。ノリカイモンは肌に密着しない。したがって、自分のものにならない、身につかないのしゃれ言葉になった。さらに「ぱりぱりしている」のしゃれにもいう。ノリカイモンは、ぱりぱりしているので、いばっている、威勢がよいの意味にかけた。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
渡らない橋
一条戻橋というのは、堀川通りの一条にかかる小さな橋で、死人がこの橋の上で生き返った(戻った)ところから、いつしか戻り橋と名づけられた。その昔、その橋に愛宕山の鬼が出没し人々を悩ませていたが、ある日、源頼光の四天王のひとり渡辺綱という武士がその鬼の腕を切り落としたという伝説がある。この話は『戻橋』という演題で歌舞伎にもなっている。また陰陽師の安部清明がこの橋の下に式神(鬼を飼い馴らしたもの)をひそませていたというエピソードでも知られている。京都では結構有名なところだが、婚礼儀式の時には、決してこの橋を渡ってはいけないと言い伝えられている。

これは橋の名称である「戻り橋」という名にこだわり、嫁ぎ先から嫁が戻って来ないように言い出されたことで、今でもそこを通らず、わざわざ遠まわりをする。こういった場所は、この戻り橋だけではなく他にも見られる。このようにいうと、京都人はつまらぬみとにこだわると思われるかもしれないが、ここに、京都人の事を行う儀式作法の考え方の原点というべきものがある。ささいなことにこだわりながら、ひとつの儀式を大切にしてきた。婚礼という人生の一大儀式を軽く考えず、重たく考える発想から、道順というささいなことに神経を使い、まわりの者がいろいろと知恵を出し合いながら、時には一方通行の道路を警察署に書類を提出し、逆方向に通らせてもらうといったことまでしてきた。儀式に対する思い入れ、これこそ京都なのだ。

京都の結納用品の専門店やデパートの婚礼用品の売り場でも「婚礼用品は、商品の性格上、返品はお受けできませんので何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます」といった返品お断りの小さな看板があるという。返品された商品を、わからなければよいといって他のお客さんに販売するような、そんな感性を京都人は持ち合わせていない。こんなところにも京都のこだわりといったものを感じる。

この一条戻り橋には、戦争中、出征兵士を見送るのに、わざわざこの橋まで行って、必ず戻ってきて欲しいと願ったという悲しい話も残っている。現在では、京都を訪れた人がこの橋を渡れば、もう一度必ず京都に来ることができるといわれている…今京都。 ※写真は京都の街並みで本文とは関係ないのであしからず。

糊をつけてこわばらせた衣服。糊づけをすることを「糊を飼う」といった。飼うは食を与えるの意。「ノリカイモンで身につかん」という。ノリカイモンは肌に密着しない。したがって、自分のものにならない、身につかないのしゃれ言葉になった。さらに「ぱりぱりしている」のしゃれにもいう。ノリカイモンは、ぱりぱりしているので、いばっている、威勢がよいの意味にかけた。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
渡らない橋
一条戻橋というのは、堀川通りの一条にかかる小さな橋で、死人がこの橋の上で生き返った(戻った)ところから、いつしか戻り橋と名づけられた。その昔、その橋に愛宕山の鬼が出没し人々を悩ませていたが、ある日、源頼光の四天王のひとり渡辺綱という武士がその鬼の腕を切り落としたという伝説がある。この話は『戻橋』という演題で歌舞伎にもなっている。また陰陽師の安部清明がこの橋の下に式神(鬼を飼い馴らしたもの)をひそませていたというエピソードでも知られている。京都では結構有名なところだが、婚礼儀式の時には、決してこの橋を渡ってはいけないと言い伝えられている。

これは橋の名称である「戻り橋」という名にこだわり、嫁ぎ先から嫁が戻って来ないように言い出されたことで、今でもそこを通らず、わざわざ遠まわりをする。こういった場所は、この戻り橋だけではなく他にも見られる。このようにいうと、京都人はつまらぬみとにこだわると思われるかもしれないが、ここに、京都人の事を行う儀式作法の考え方の原点というべきものがある。ささいなことにこだわりながら、ひとつの儀式を大切にしてきた。婚礼という人生の一大儀式を軽く考えず、重たく考える発想から、道順というささいなことに神経を使い、まわりの者がいろいろと知恵を出し合いながら、時には一方通行の道路を警察署に書類を提出し、逆方向に通らせてもらうといったことまでしてきた。儀式に対する思い入れ、これこそ京都なのだ。

京都の結納用品の専門店やデパートの婚礼用品の売り場でも「婚礼用品は、商品の性格上、返品はお受けできませんので何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます」といった返品お断りの小さな看板があるという。返品された商品を、わからなければよいといって他のお客さんに販売するような、そんな感性を京都人は持ち合わせていない。こんなところにも京都のこだわりといったものを感じる。

この一条戻り橋には、戦争中、出征兵士を見送るのに、わざわざこの橋まで行って、必ず戻ってきて欲しいと願ったという悲しい話も残っている。現在では、京都を訪れた人がこの橋を渡れば、もう一度必ず京都に来ることができるといわれている…今京都。 ※写真は京都の街並みで本文とは関係ないのであしからず。

