rrbのブログ - 2009/09/04のエントリ
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天を仰いで思うこと せんぐり 2009/09/04 12:00 am
せんぐり
「セングリ車が通って危ない」「セングリ考えたけど、うまいこといきまへんな」 次から次へと、順々にの意味。先から先へと繰る「先繰り」から。もとはセングリニと言った。江戸時代後期ごろから、「ニ」を省いた。セングリセングリと、重ねていうこともある。「セングリセングリ用事が出来ましてな」「繰る」にはもと、引き寄せるの意味があり、順々に送り動かすことでもあった。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
しばらくの間、コメント欄を閉じます。ご容赦ください。
天を仰いで思うこと

パンパンと神社でかしわ手を打ったり、鈴をじゃらじゃら鳴らしたりするのは、「どうか私の願いに耳を傾けてください。では申し上げますからね」というシグナル。さまざまな相談事や願い事を持ち込まれ、多忙を極める神仏。その注意をひき、自分の居場所を知らせるには大きな音が一番ということなのだろう。
今、「静かすぎて困る。もう少し音を出して存在をアピールして」と、注文されているものがある。それは、ハイブリッド車。エンジンとモーターを組み合わせて走るハイブリッド車。特にスタート時や低速時はモーターだけで走れるので、ほとんど音がしない。それが、住宅地の角を曲がったら目の前に車がいた、とか、自転車が、後ろから忍者のように接近してきた車に気づかず接触しそうになった、という事例があって、国土交通省や業界が対策に乗り出すこととなったらしい。

自動車の音問題といえば、騒音がうるさいというのが常識だ。テクノロジーの進展と開発者の努力が新たな音問題を生んだのだから皮肉なものだ。1910年代に「T型フォード」の量産が始まって以来、自動車メーカーはエンジンやタイヤの改良を続け、静かな車作りを目指してきた。最も静かなガソリンエンジン車が製造されたのは1960年ごろのことだったという。
しかし、60年代には、再びもっと大きな音のするのを作り始め、70年代にはデトロイトの製造業者は、自分たちの自動車の騒音増大を宣伝の呼び物にするようになった、というから驚きだ。70年代の雑誌には、高性能の怪獣。アクセルを踏めば、こいつは吠える。大型排気量と高圧縮比の導入で、エンジン騒音、吸入、排気騒音の増大が促進されます、といった広告が堂々と載った、という。
ラジオや音楽が聴きたいからリビングルーム並みの静かさが欲しいという人もいれば、飛ばしている感じがしない、と大きな音を求める若者らもいた。昔も今も、消費者の要望に応えることは容易でない。ハイブリッド車の静音対策は、人工音を出す装置を搭載するといった方向で検討されるようだ。将来、さらに静粛性に優れた電気自動車が普及すると、静音問題は一層「深刻」なものになる心配もある。ここで一定の方向性を示しておくことは重要だが、注目されるのは、どんな人工音が採用されるか、だ。

(神戸) カメラ/EPSON R-D1s レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4
今、街にはさまざまな電子音にあふれている。歩行者や自転車が「車が来た」とちゃんと判別できるものでないと意味がない。しかし、パンパン、ジャラジャラは採用されないだろう。昔、京都の路面電車には「電車がきまっせ、あぶのおっせ」と、電車の前を走って通行人に危険を知らせる「先走り」という少年(←クリック)がいた。初期の電車は時速約10kmと遅いので、直前を横切る人も多く、かえって危険なために、昼は旗、夜は提灯をもって少年が先を走ったのだとか。なんとものどかな雰囲気で微笑ましい感じがする。このことにヒントを得て、「車がきまっせ、あぶのおっせ」という電子音声はどうだろうか…と、天を仰いで思うこと。

「セングリ車が通って危ない」「セングリ考えたけど、うまいこといきまへんな」 次から次へと、順々にの意味。先から先へと繰る「先繰り」から。もとはセングリニと言った。江戸時代後期ごろから、「ニ」を省いた。セングリセングリと、重ねていうこともある。「セングリセングリ用事が出来ましてな」「繰る」にはもと、引き寄せるの意味があり、順々に送り動かすことでもあった。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)
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天を仰いで思うこと

パンパンと神社でかしわ手を打ったり、鈴をじゃらじゃら鳴らしたりするのは、「どうか私の願いに耳を傾けてください。では申し上げますからね」というシグナル。さまざまな相談事や願い事を持ち込まれ、多忙を極める神仏。その注意をひき、自分の居場所を知らせるには大きな音が一番ということなのだろう。
今、「静かすぎて困る。もう少し音を出して存在をアピールして」と、注文されているものがある。それは、ハイブリッド車。エンジンとモーターを組み合わせて走るハイブリッド車。特にスタート時や低速時はモーターだけで走れるので、ほとんど音がしない。それが、住宅地の角を曲がったら目の前に車がいた、とか、自転車が、後ろから忍者のように接近してきた車に気づかず接触しそうになった、という事例があって、国土交通省や業界が対策に乗り出すこととなったらしい。

自動車の音問題といえば、騒音がうるさいというのが常識だ。テクノロジーの進展と開発者の努力が新たな音問題を生んだのだから皮肉なものだ。1910年代に「T型フォード」の量産が始まって以来、自動車メーカーはエンジンやタイヤの改良を続け、静かな車作りを目指してきた。最も静かなガソリンエンジン車が製造されたのは1960年ごろのことだったという。
しかし、60年代には、再びもっと大きな音のするのを作り始め、70年代にはデトロイトの製造業者は、自分たちの自動車の騒音増大を宣伝の呼び物にするようになった、というから驚きだ。70年代の雑誌には、高性能の怪獣。アクセルを踏めば、こいつは吠える。大型排気量と高圧縮比の導入で、エンジン騒音、吸入、排気騒音の増大が促進されます、といった広告が堂々と載った、という。
ラジオや音楽が聴きたいからリビングルーム並みの静かさが欲しいという人もいれば、飛ばしている感じがしない、と大きな音を求める若者らもいた。昔も今も、消費者の要望に応えることは容易でない。ハイブリッド車の静音対策は、人工音を出す装置を搭載するといった方向で検討されるようだ。将来、さらに静粛性に優れた電気自動車が普及すると、静音問題は一層「深刻」なものになる心配もある。ここで一定の方向性を示しておくことは重要だが、注目されるのは、どんな人工音が採用されるか、だ。

(神戸) カメラ/EPSON R-D1s レンズ/NOKTON classic 35mm F1.4
今、街にはさまざまな電子音にあふれている。歩行者や自転車が「車が来た」とちゃんと判別できるものでないと意味がない。しかし、パンパン、ジャラジャラは採用されないだろう。昔、京都の路面電車には「電車がきまっせ、あぶのおっせ」と、電車の前を走って通行人に危険を知らせる「先走り」という少年(←クリック)がいた。初期の電車は時速約10kmと遅いので、直前を横切る人も多く、かえって危険なために、昼は旗、夜は提灯をもって少年が先を走ったのだとか。なんとものどかな雰囲気で微笑ましい感じがする。このことにヒントを得て、「車がきまっせ、あぶのおっせ」という電子音声はどうだろうか…と、天を仰いで思うこと。

